アメリカ入国拒否後の対策
1. 入国拒否後にまず知っておきたい重要事項
入国拒否となった後は、それまでのようにESTAを利用して渡航することはできず、今後アメリカへ渡航や経由するためにはビザの取得が必要となります。
そのため、入国拒否後の最初のビザ申請は、その後のアメリカへの渡航に大きく関わる重要な申請となります。
入国拒否後、まず確認すべきことは「なぜ拒否されたのか」です。
入国拒否では、次のようなケースがよく見られます。
- 「観光に来ただけなのに、就労を疑われた」
- 「出張なのに、アメリカで働くつもりだと判断された」
- 「恋人に会いに来ただけなのに、移住するつもりだと疑われた」
- 「事実とは違うのに、誤解を解消できないまま帰国することになった」
- 「過去のトラブルを突然指摘された」
重要なのは、すぐに次のビザ申請へ進むのではなく、まず入国拒否となった理由や経緯を確認し、現在の状況に応じた対応を検討することです。
2. なぜアメリカで入国拒否になるのか
ESTAを取得していても、アメリカへの入国が保証されているわけではなく、最終的な入国の可否は入国審査で判断されます。
これまで何度もESTAで問題なくアメリカへ渡航していた方でも、今回の渡航目的や滞在予定、過去の渡航歴、入国審査での説明内容などから疑義を持たれた場合には、入国を認められないことがあります。
たとえば、
- 観光目的で渡米したものの、就労目的ではないかと疑われた
- 出張内容がアメリカ国内での就労にあたると判断された
- 頻繁な渡米や長期滞在を問題とされた
- 恋人・婚約者・配偶者への訪問で、移住目的を疑われた
- 渡航目的について、申告内容とは異なる目的があるのではないかと疑われた
など、入国拒否に至る理由や経緯はさまざまです。
本人としては「事実と違う」「単なる誤解だ」と思っていても、入国審査の場でその疑いを解消できない場合は、入国が認められません。
3. 入国拒否後、まず確認すべきこと
今後の対応を検討するためには、入国拒否に至った状況をできる限り正確に把握する必要があります。
- 入国審査官から何を質問されたのか
- その質問にどのように回答したのか
- どのような理由で入国できないと説明されたのか
- 入国拒否の際に署名したレターや、受け取った書類を保管しているのか
- 入国審査官がパスポートに手書きで何と記載したのか
- 過去の渡航歴やESTA・ビザ申請歴に関係する事項がないか
入国拒否の際に受け取った書類はすべて保管し、審査官とのやり取りについても、記憶が新しいうちに書き残しておくことをおすすめします。
これらは、入国拒否となった理由を分析し、今後のビザ申請方針を検討するうえで重要な情報となります。
4. なぜ「最初のビザ申請」が重要なのか
入国拒否後、
- 「ESTAが使えないのであれば、とりあえず観光ビザを申請すればよい」
- 「入国審査官からビザを取得するよう言われたので、申請すれば大丈夫だろう」
と考える方もいらっしゃいます。
しかし、「今後アメリカへ渡航するためにビザが必要である」ということと、「ビザを申請すれば取得できる」ということは別の問題です。
入国拒否歴がある場合、入国拒否となった理由や過去の申請内容、渡航歴、現在の状況、今後の渡航目的などを踏まえ、その方のケースに応じた申請方針を検討する必要があります。
そのため、入国拒否後の最初のビザ申請は、「とりあえず申請する」のではなく、十分な分析と準備を行ったうえで進めることが重要です。
5. 入国拒否後のビザ申請 ―「却下されてから考える」では遅い理由
入国拒否後のビザ申請は、一度申請し、却下された場合に改めて対応を考えればよいというものではありません。
ビザ申請が却下された場合、その申請内容や却下歴は、米国大使館・領事館を含む米国国務省のビザ審査記録として残ります。
その後の再申請では、もともとの入国拒否に加えて、前回のビザ申請で何を申告・説明したのか、なぜ却下されたのか、前回の申請時から現在までに何が変わったのか、今回の申請内容と過去の説明に矛盾がないかなど、さらに検討すべき事項が増える可能性があります。
つまり、十分な分析や準備を行わないままビザを申請し、さらに却下された場合には、新たなビザ却下歴が加わることで、その後の申請がより複雑になる可能性があります。
また、入国拒否後、今後の渡航に必要となるビザの申請が却下された場合、仕事でアメリカへの出張が必要な方、家族や恋人がアメリカにいる方など、今後も継続してアメリカへ渡航する必要がある方にとって、ビザ申請の結果はその後の渡航に大きな影響を及ぼします。
そのため、入国拒否後のビザ申請では、単に申請書類を準備するだけではなく、入国拒否の原因や今後のビザ申請への影響を明らかにしたうえで、申請方針を検討することが重要です。
こうした点を明らかにするためには、入国拒否時の状況だけでなく、過去の渡航歴・申請歴、これまでの申告内容、関係書類などを確認し、それぞれの内容に矛盾がないか、米国移民法上どのような点が問題となるのかを総合的に分析する必要があります。
当事務所では、ケースの分析に原則として約1週間お時間を頂戴し、これらの情報を精査したうえで、現在の状況で申請を進めることが適切であるか、どのような申請方針をとるべきかを検討します。
6. 入国拒否後のビザ申請を弁護士に相談する理由
前述のとおり、同じ「入国拒否」であっても、そこに至った事情は一人ひとり異なります。そのため、入国拒否後のビザ申請に、すべての方に共通する「テンプレート」はありません。
たとえば、観光目的で入国を拒否された場合でも、滞在期間や渡米頻度、職業、アメリカでの活動予定、過去の滞在歴、現地にいる家族や恋人の有無などによって、確認・検討すべき点は異なります。
出張目的の場合にも、アメリカで予定していた業務の内容や相手先、報酬関係などによって、検討すべき内容は変わります。
このように、入国拒否後のビザ申請では、入国拒否に至った経緯や一人ひとりの事情を確認し、米国移民法の観点から問題となる点や、申請にあたって説明・補強すべき点を整理したうえで、その方の状況に応じた申請方針を検討することが重要です。
当事務所では、このような入国拒否後の対応について、有料の“法律相談”を承っております。
法律相談では、アメリカ移民法に特化した弁護士が、事前にご提出いただいた関係書類や渡航・申請歴などを踏まえ、入国拒否の原因やビザ取得の可能性、今後考えられる対応について診断結果をご報告します。簡単なヒアリングだけでその場で判断するのではなく、事前にケースを分析したうえでご報告するのが、当事務所の法律相談です。
また、現在の状況で申請を進めることが適切ではないと判断した場合には、無理に申請をおすすめすることはありません。
7. このような方はご相談ください
- 入国拒否を受け、今後の渡米方法が分からない
- 「今回の渡航目的には別のビザが必要」と言われた
- 入国拒否後にビザを申請したものの却下された
- 前回の入国審査で別室に呼ばれ、次回の渡米に不安がある
- ESTAで予定している出張内容に問題がないか心配
- 専門家に依頼してビザ申請を行ったものの、却下された
すでに入国拒否となった方だけでなく、次回の渡米について不安がある方からの事前相談もお受けしています。
8. ご相談からビザ申請までの流れ
STEP 1 法律相談・ビザ取得の可能性の診断
法律相談のお申込み後、入国拒否に至った経緯や関係書類、これまでの渡航歴・申請歴など、診断に必要な情報をご提出いただきます。ご提出いただいた情報をもとに、原則として約1週間お時間を頂戴してケースを分析します。
その後、日時を設定のうえ、入国拒否の原因、ビザ取得の可能性、今後考えられる対応などについて、弁護士から診断結果をご報告します。
STEP 2 必要に応じてビザ申請サポート
診断の結果を踏まえ、現時点で申請を進めることが適切であると判断し、ご本人がビザ申請サポートをご希望される場合には、その方の状況に応じた申請準備を進めます。
現時点では申請を進めることが適切ではないと判断した場合には、無理に申請をおすすめせず、将来的なビザ申請に向けて、今後どのような準備や改善が必要となるのかをご説明します。
